帯状疱疹体験記・その3

帯状疱疹体験記・その2のつづき。

 

【発症から7日目】

この日も仕事が入っていたけど、昨日の休みに便乗してまた休みにさせてもらった。根性があれば行って行けなくはない状態だったと思うけど、そんな言葉は私の辞書には一切ない。

また1日だらだら過ごしていたのだが、なんだか痛みより痒みが出てきた。皮疹があるから掻いてはいけないと思うのだけど、あまりに痒いので服の上から掻いてしまう。するとめちゃくちゃ痛い。しかもそのあと余計に痒くなる気がする。なんじゃこりゃ、帯状疱疹がこんな痒いなんて聞いてないよ!と思ったが、ネットで調べたら治りかけは痒くなることがわりとあるらしい。そして皮疹を掻き壊してひどい潰瘍になっちゃったりしている写真とか出てきてゾゾゾ~とする。

とりあえず治ってきているから痒いのであるらしいということで一応安心はしたが、痒いのも痛いのと同じくらい不快だし、掻いてはいけないという抑制があるぶん余計気が狂いそうになる。なんとかこの痒みを鎮める手はないか。ステロイド系塗り薬は帯状疱疹の皮疹に使ってはいけないという話なので、せめてと思って保冷剤で患部を冷やしてみた。すると痒みは治まったのだけど、今度は痛みがぶり返してきた。やっぱりね、そんな気がしたよ!

不毛な闘いに疲れてもう寝ようとしたのだけど、痛みが強くて全然眠れない。灼熱感というのか、皮疹のところが焼けるような(ほんとに焼いたことないけどイメージとして)熱痛い感じで、痛み止めもまったく効いている気がしない。思い返せばこの日が痛みのピークだったかもしれない。起きて座ってみたり横になってみたり、悶々としつつ朝になった。

 

【発症から8日目】

最初に受診した内科外来を再度受診する日だったので(誰も覚えてないと思うけど尿に細菌が出ていた件。この一週間、抗生剤も一応飲んでいた)行って先生に「実は帯状疱疹でした」と報告。先生も帯状疱疹経験者で「あれは痛いですよね~」と同情された。体調が良かったら先週延期にした予防接種を受ける予定だったけど、そういうわけなのでさらに延期になった。

続いて皮膚科へ。私の帯状になった皮疹を見るなり「うわ!これはまた立派なの作ったね~!」と先生・・・。最初はほんの少しだったのに、1週間でここまでなるのは「若い人にはあんまりないね。高齢者にはあるけど」って、ガーン。「やっぱり移植で免疫が落ちてるんだね」と。まあそうなんでしょうね。

造血幹細胞移植を受けると、これまでに獲得してきた各種免疫がほぼリセットされてしまうので、予防接種を受け直すことが推奨されている。移植1年後の昨年は赤ちゃんが受けるのと同じ4種混合とかHibとかを受けてきて、移植後2年経ったこれからMRワクチン(を受ける予定だったのだけど帯状疱疹で延期)、その後に水ぼうそうのワクチンも受ける予定だった。水ぼうそうのワクチンを受けていれば帯状疱疹は免れたかもしれないけど、それより先に罹ってしまった。ていうか帯状疱疹になると水ぼうそうに対する強い免疫ができるというけど、じゃあもうワクチンは受けなくていいんだろか??

それはさておき、痛みが強いのでもうちょっと強い鎮痛剤を出してほしいと訴えると、ロキソニンビタミンB12(神経を修復するらしい)が処方された。抗ウイルス薬は1週間飲みきったのでこれで終了。皮疹は帯状になってピークを迎えたらしく、最初にできた水疱が枯れ始めてきているので、全体的にもそのうちだんだん枯れてくるだろうとのこと。よかった。

先週のと同じ軟膏も引き続き処方されたのだけど、薬局でそれを受け取るとき薬剤師さんに「今、患者さん皆さんにアンケートを行っておりまして・・・このように軟膏に塗る部分を書いたシールを貼っているのですが、どう思われますか?」と尋ねられた。

「えっと・・・私の場合はからだしか塗るところないので何とも・・・」と正直に答えたら「そうですよね。ご協力ありがとうございました。」と。それで良かったのだろうか。

でもそういえば、入院中にGVHDの下痢がひどくて、お尻に塗る軟膏が処方されたとき、看護師さんによって軟膏のチューブにマジックででかでかと「おしり」て書かれていた(しかも2ヵ所も)ことを後から思い出した。「おしり」と「からだ」と両方ある場合はちゃんと書いておかないと、分かんなくなったら困るもんね。

 

次回につづく。