帯状疱疹体験記・その5止

帯状疱疹体験記・その4のつづき。

【発症から22日~28日頃】

 痒み止めの内服薬は効いているのかいないのかよく分からなかった。相変わらず痒みと痛みを繰り返しているような感じ。かいかい女になるほどの痒みはなくなってきた気がするが、皮膚の下に小さい虫が這っているようなむずむず感が発作的に起こる。痛いときは、銀歯でアルミを噛んだときのような(?我ながら意味不明だけどなんか金属的な)痛みが脈打つようにあって、どちらの場合も患部(主に腹)を押さえていると少しマシになる。

なので職場では、右手でキーボードを叩き左手は腹にあてがうという怪しい姿勢で仕事をしていたし、寝るときは左腹を下にしてうつ伏せ気味に寝ていた。皮疹はもうほぼ治ったはずなのに、神経症状だけが続くというのは、帯状疱疹後神経痛というやつに片足を突っ込みかけているんではなかろうか?嫌だよう。

この頃、移植後フォローで以前から通っている総合病院を受診した。移植後2年経った今年7月以降は2か月に1度の通院になっていて、帯状疱疹を発症したときは次の受診までまだ1か月近くあったので、一応電話で連絡したら「近所の皮膚科に行ったのならとりあえずはOK。抗ウイルス薬を飲んでも治る気配がないようならこっちに来て。大丈夫そうなら予定通り来月の受診で良い」と言われていたのであった。

主治医の先生に状況を説明し、皮膚症状は治まったけどまだ痛みが続いていると言ったら、リリカが処方された。


帯状疱疹後神経痛や、線維筋痛症などの神経障害性疼痛に効くというリリカ

薬のくせにえらい可愛らしい名前だよね。このピンクもいかにもリリカ色だし。てか薬の名前ってどうやって決めてるんだろ?ロキソプロフェン(成分名)→ロキソニン(商品名)とかならわかるが、プレガバリン(成分名)→リリカ(商品名)とは如何に。

ともかくもしばらくこれを飲んで様子を見てみてとのことで1か月分処方された。痛くなくなったら飲むのをやめても良いかと尋ねたら、いいけど、たぶん1か月くらいではよくならないんじゃないかと思うよ的なことを言われた。しょんぼり。

【発症から29日~40日頃】

リリカは鎮痛剤とは少し異なり、飲んですぐ痛みが引くというものではないらしい。日常的に続けて飲むことでだんだん神経の興奮が抑えられてきて痛みが治まるということなので、飲み始めてしばらくは、ほんとにこれ効いてんのかなという感じだった。そのわりに副作用は強く、フラフラしたり、ものすごく眠くなったりする(夜はよく眠れて良いけど仕事中がツライ)。

しかし飲み始めて1週間目の朝、いつもはイテテテ・・・となりながら起きるのだけど、久しぶりにそれがなかった。これは!もしかしてリリカが効いてきたのでは?その後もだんだん痛みを感じることが少なくなり、併用していたロキソニンを飲む回数も減った。さらに1週間飲み続けたら、もうほとんど不快な症状はなくなった。リリカちゃんすごい! 

発症から40日後、ずっと延期になっていた予防接種を受けるタイミングでリリカを飲むのをやめてみたが、特に痛みがぶり返すこともなく、今に至る。処方されたリリカを半分くらい残して、治った・・・と言っていいかな。予防接種の先生には「まあ早く治ったほうだと思いますよ、良かったですね」と言われた。いやーほんと、帯状疱疹後神経痛になったら半年とか1年とかかかると言うし、そこまで長引くことなく治って良かった。 

今まだ皮疹のあとがシミのように腹に残っていて、知ってる人が見れば帯状疱疹跡だとわかりそうなので、銭湯とかに行くのはちょっと憚られる。けどこれもだんだん薄くなっていくと思う。ときどき思い出したように痒みが出ることもあるけど、すぐ治まるし、だんだん気にならなくなっていくんでしょう。

ということで最初の宣言通り特にオチはないけど、帯状疱疹体験記、これにてひとまず終了とします。

長らくお付き合いありがとうございました。