山形旅行・その2 鶴岡市内観光(前編)
【2019年9月17日(火)】
山形旅行・その1 山形市内観光のつづき。
今日は滞在中の山形市から足を延ばして、日本海側の鶴岡市へ日帰り一人旅をすることに。鶴岡にも素晴らしい建物が遺っているということで、それを見に行きます。
仕事へ行くパンダさんよりも早く出て、7時20分山形発の高速バスに乗り込む。
▲昨日とは打って変わって気持ちの良い晴天。車窓の若い稲穂がまぶしい。
月山(がっさん)を越えて、約2時間で鶴岡市着。バスターミナルから少し歩いて鶴岡駅前へ。
▲人通りがほとんどなくてやや不安になる鶴岡駅前。
観光案内所で市中心部への路線バスを教えてもらい、バスに乗ってまずは致道博物館へ。
▲のどかな田舎町の街道沿いに突如現れる擬洋風の建築群。
これだけでもう私のテンションだだ上がり。
ところで蛇足かもしれませんが擬洋風建築(ぎようふうけんちく)とは
明治時代初期の日本において、主として近世以来の技術を身につけた大工棟梁によって設計・施工された建築である。従来の木造日本建築に西洋建築の特徴的意匠や、時には中国風の要素を混合し、庶民に文明開化の息吹を伝えようと各地に建設された。(擬洋風建築 - Wikipediaより)
つまり、西洋建築の専門家でない日本の大工さんが、当時東京や横浜などに現れ始めた洋館などを参考に「見よう見まねで」作った建築のことです。代表的なものとしては長崎の大浦天主堂や、今年国宝指定されることになった松本の旧開智学校など。
やはり一番の見どころは独特の和洋折衷感だと思うのだけど、情報が少ない中での西洋建築に対する解釈のユニークさや、作り手の意地と心意気がつまった創造のエネルギーにわくわくされられる擬洋風建築がとにかく私は好きだ。
致道博物館は庄内藩主酒井家の御用屋敷跡に、擬洋風の2棟を含む歴史的建築物等を移築保存して公開している博物館です。
まずはこちらの擬洋風建築から、
◆旧西田川郡役所(明治14年(1881)、高橋兼吉、国指定重要文化財)
逆光なのがちょっと残念ですが、青空に映えて美しい。白い下見板張りの壁に赤い瓦屋根、時計塔がちょんと乗って、ウェディングケーキのような気品さえ漂う(と私が勝手に思っているだけですが)。
中は考古資料などが展示されている。1段が高い急な階段を2階へ上がると、塔屋へつながる美しい釣り階段が見られた。撮影不可だったのでここでお見せできないのが残念です。
続いてこちら、
◆旧鶴岡警察署庁舎(明治17年(1884)、高橋兼吉、国指定重要文化財)
同じ棟梁さんの設計だけど、こちらは警察署らしい厳めしさと重厚さが感じられます。何よりもこの、背景の空とどっちが青いかと思うような壁の青。昨年大規模な修復を終えて生まれ変わったところで、それまでは長いこと白い壁だった(上のリンク先はまだ白い頃の写真)のが、建てられた当初の色はこの青だったことがわかり、今回それが復元されたそうな。白い頃の印象が強いと一瞬えっ?となるけど、これはこれで悪くない。というかなかなか良い色だと思う。
中は復元された取調室で取調べごっこができたりする。2階は何も展示がなくて、上がった人がみな「何にもないわ」と言いながらすぐに降りてきていたのだけど、
▲2階のベランダからこの素晴らしい眺めが見られるじゃないか~!
と声を大にして言いたかった私。ああ、もったいない。
ここでは他にも
▲重要文化財 旧渋谷家住宅(豪雪地帯の民家)や、
民具の収蔵庫などが見学でき、もちろん全部見たけど長くなるのでここでは割愛。
致道博物館をたっぷり堪能した後は、城址公園のほうへ少し歩いてこちらへ。
こちらは時代がもう少し後なので擬洋風建築のカテゴリーには入りませんが、なかなか独特の異彩を放つ外観。可愛らしいイチゴの乗ったショートケーキ・・・てなぜ私はケーキに例えたがるのか。中は鶴岡ゆかりの人物資料館になっています。
さて、大寶館を出たらそろそろお腹がすいてきたので、どこかでお昼を食べなければならない。しかしこの辺りに食べるところがあんまりない。あっても行ってみたらなぜか休みだったり。でしばらくうろうろしてこちらのお店へ。ほぼ満席だったところ、カウンターに1席作って入れてくれた。
▲海鮮どーん!
パンダさんが仕事してる間に一人で良いもの食べてごめんなさい。いや、このお店以外に選択肢なかったのよ。しかし日本海側のお魚はやっぱりうまーい!お刺身のぶ厚さがハンパない。シジミ汁にサラダまでついて1000円って。飛び込みで入ったのに大満足。
うまうま♪と食べていたら、お醤油取ったきっかけか何かでカウンターで隣に座っていた老夫婦と会話になり、
・・・てこの日はまだ続くけど長くなったのでいったん休憩。
次回につづく。