ベランダコウモリ対策

先月、5月半ば頃のある日のこと。

うちのマンションのベランダの一角に、小さな黒いつぶつぶがいくつか落ちているのに気付いた。これは・・・コウモリのフンだ。やはり来たか。

実は昨年も夏ごろに同じものをベランダで見つけて、調べてみたところどうもコウモリのフンらしいということは分かったのだけど、どうしようかなぁと思っているうちに秋になり冬になり、新しいフンも増えなくなった(コウモリの活動期は春~秋)ので、まあいいかと(いや良くないんだけど)思って特に何も対処していなかったのであった。

なのでまた春になったら来るかもしれないと覚悟はしていたのだけど、しかし今年は昨年と反対側の一角、洗濯物を干す場所に近いところにフンが落ちている。コウモリのフンには細菌やウイルスなどが含まれていて、とても不衛生らしい。都市部においてもなるべくなら自然と共生していきたいと思っている私ではあるが、さすがにこれは何らかの対処をしないといけない。かと言って、コウモリ駆除業者に依頼するとなるとお金もけっこうかかるし、まだそこまで酷い害があるわけではないので、もう少しカジュアルになんとかならないものか。

フンが落ちている場合、そこにコウモリが住み着いているケースと、散歩の途中に休憩するための立ち寄り所にされているケースがあるらしい。うちに落ちているフンはそんなに大量ではないので、立ち寄り所説のほうであることを期待するが・・・フンが落ちている一角の真上を見ると鉄骨がある。うちのベランダの庇には一部ガラスがはまっているところがあって、そのガラスの枠として鉄骨が渡っているのだ。それ自体はコウモリがぶら下がれるような感じではないのだけど、その鉄骨とコンクリートの部分の境目にほんの1cmにも満たないほどの隙間がある。まさかそんなところに、と思うような隙間なのだが、コウモリというのは1~2㎝の幅があれば入れてしまうものらしい。コウモリが落ち着ける場所があるとしたらおそらくその隙間だろう。

場所が分かったところで対処法についていろいろ調べてみたら、自分でできる方法としては、コウモリが嫌がるハッカの匂いのスプレーを散布して追い出すというのが一番効果がありそうだ。が、効果が切れるとまた戻ってきてしまうので、その前に大元であるその隙間をふさがないといけないらしい。スプレーはできそうだけど、隙間をふさぐというのはまあまあ大ごとのような気がする。

ていうかそもそもうちは賃貸マンションだったことを思い出したので、まずは管理会社に連絡してみた。すると別の物件でコウモリ対処をしたことがあるという方が現場を見に来てくれ、確かにその隙間が怪しいが、業者に依頼して隙間をパテなどでふさぐとなるとオーナーの許可も必要だから、今すぐはできない。とりあえずコウモリ忌避スプレーを散布して、このテープを上から貼ってみたらどうだろうか、との提案とともにこういう感じのアルミテープをくれた↓

そしてオーナーさんに相談しておくと言って、現場の写真を撮って帰っていった。うん、まあそうなりますよね。そしてコウモリ忌避スプレーは自分で買えということなのね・・・いや、アルミテープでふさぐという方法を教えてくださっただけでも充分ありがたいです。

ということでやはり自分で何とかすることになったので、まずはコウモリ忌避スプレーをネットで購入した。


▲怖ぁい・・・

でも成分は天然ハッカ油なので、人体に害のあるものではなさそう。使用法をよく読むと、「※臭気性の忌避剤なので、臭気に慣れたコウモリや感受性の乏しいコウモリには効果が出にくい場合があります。」とある。

コウモリの感受性・・・とは。

とにかくすべての準備は整ったので、家庭内業者に依頼した。


▲捨ててもいい服と帽子とマスクと手袋で完全防備のパンダさん(メガネは実際にはサングラスではありません)
脚立がないので、ピアノ椅子を限界まで高くしてその上に乗っている。


▲これこれ、この隙間なんですよ。よく見るとコンクリのところにフンがちょっとついてる・・・うう。

こういう隙間が四か所ある。コウモリは昼間は巣で寝ているという話だが、下から覗いてみてもコウモリが入っているようには全然見えない。しかし万一コウモリが出たとき逃げ込まれないように、一番入ってそうな隙間は最後にして遠いところからスプレーを噴射していく(ちなみに私は部屋の中から応援する係)。けっこう強めのハッカ臭、だけどまあ嫌な匂いではない。

一か所目、二か所目、三か所目までスプレーして、ベランダ中ハッカ臭になったけどまだ何も出てこない。やはり立ち寄り所だった説が濃厚か。ではいよいよ本命の最後の隙間へ・・・と思ったその時、すごい速さの何かがビャッと視界の端を横切った。

えっ!?と思って見ると、うちのベランダの前を一匹のコウモリが円を描いて飛んでいる!一瞬のことすぎて私はもちろん、パンダさんもどこから出たのかわからなかったらしい。しかし小さなコウモリは明らかにうちのベランダの前を旋回している。
お前・・・やっぱりおったんかい!!

しばらく見ていると、離れては戻ってきて、また離れてを繰り返している。おうちに帰りたいけどくさい・・・でも帰りたい・・・くさい・・・て感じだろうか。すごいなコウモリスプレー。ていうか感受性の乏しくないコウモリちゃんで良かった。しばらく姿が見えなくなった間に最後の一か所にもスプレー。一匹だけとは限らないので、念入りにスプレーしたけど、それ以上は何も出てこなかったので、アルミテープを貼っていく。万が一感受性の乏しいコウモリが潜んでいたら閉じ込めてしまうが仕方がない。感受性は命にかかわる。


▲アルミテープを貼ったところ(ああ、ついでにフンの掃除してもらえば良かった)

貼りづらい部分でなかなかきれいにはいかないが、応急処置としては充分でしょう。パンダさん(その後しばらく首が痛いと言っていた)どうもありがとう。

人間が感じるハッカ臭は30分もしないうちに消えたが、その後あのコウモリちゃんが戻ってきた感じはなかった。もう夕方になったので、そのまま活動時間に入ったのかもしれない・・・(そして朝戻ってきたらおうちの入口が封鎖されていてガーンとなったかも)。

ともかく対策をしてから1週間以上になるが、フン害はなくなり、今のところその状態をキープしている。追い出してしまったあの感受性の強いコウモリちゃんはいったいどこへ行っただろうか・・・追い出しておいて言うのもなんだが、新しいおうちを(なるべく人間に追われないところで)見つけて元気でやっていてほしいものだ。

とか言ってたら案外となりの部屋のベランダにいたりして。