秋バラと洋館散歩・前編

秋晴れの週末、都内へ観光に出かけました。
純粋に遊びに行くためだけに遊びに行くのって一体いつぶりだろ?このブログの「おでかけ」タグも久しぶりに使うわ、と思って前回がいつだったか調べたら、2019年11月の武相荘だった。

そんな超久しぶりのおでかけ先に選んだのは、東京都北区にある旧古河庭園です。近代建築好きとして一度は訪れてみたい、できればバラの季節に、と前々から思っていたところ。今ちょうど秋バラの見頃ということで、入園整理券の予約をして行ってみました。

旧古河庭園へは、JR駒込駅から歩いて行きます。

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駒込駅前の可愛いさくらポスト
ホームの発車メロディーも高速バージョンの「さくらさくら」だった。
この辺りはソメイヨシノ発祥の地なんだそうです。江戸時代、今の駒込にあたる染井村にあった植木屋でソメイヨシノの交配が行われたんだって。へぇ~へぇ~。

10分あまり歩いて目的地へ到着。入口で整理券のチェックをしていたけど、我々が行った11時過ぎの枠はまだ空きがあったようで、その場の手続きでも入園できたみたい。
正門を入って少し進むとすぐに洋館が見えてきます。

f:id:enteecke:20211026182819j:plain◆旧古河邸(大正6年(1917) ジョサイア・コンドル

邸宅の南側が洋風庭園(こちらもコンドル設計)になっていて、バラが満開。

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▲そうそう、こういう「バラと洋館」が見たかったの。

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▲まあ実際はこのくらい人がいて、なかなか「バラと洋館」だけ撮るのは難しいんですが・・・でもお天気は良いしバラは綺麗だしで満足。

バラの鑑賞もそこそこに、気になる洋館の中へ。本来は申込制のガイドツアーで見学するものらしいけど、今はコロナ対策で、1階のみの自由見学になっている。撮影不可だったので写真はないけど、1階は来賓をもてなすための空間で、暖炉やシャンデリア、天井のレリーフ装飾も豪華で贅沢な洋風建築。しかし家族の居住空間である2階は寝室以外すべて畳敷きの和室なんだそうで。外観からじゃ中に和室があるなんて想像できない・・・ああ、2階をこそ見てみたかったなー。

和洋折衷は実は庭もで、バラ園の奥には日本庭園が広がっている。

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▲滝とかお茶室もあって本格的な日本庭園。この向こうに洋館がある。

こちらは通称「植治」こと七代目小川治兵衛の作庭。この人って京都だけじゃなくてこんなところでも活躍していたんだ、すごいな。
設置されていた案内板によると、この旧古河庭園は台地のヘリにあって、敷地の中を約8メートルの高低差のある崖線が横切っているので、その崖上に洋館と洋風庭園、崖下に日本庭園を配置することで、天然の地形を活かした和と洋の自然な共存を実現させているのだそうです。って急にブラタモリの世界・・・

さらに洋と和の接続部分である崖線の造園にもそれぞれに工夫が凝らされているそうで、コンドルさんと植治さん、当時いったいどういう方法でこの共同プロジェクトを進めて行ったんだろうなどと考え始めると、もう妄想が止まりません。

ところで、この美しい日本庭園を散策していると、池を眺めるベンチにおじさん(おじいさん?)が座っていたのだけど、よく見たらカップラーメンをすすっていた。いや別に、市民に開放された都立公園だし、飲食も禁止されていないし、何食べてても全然構わないんだけど、わざわざ手続きをして入園料150円払ってここまで歩いて来て、おもむろにカップラーメンって・・・ロックだな。ていうかどこでお湯入れて来たんや!

我々もお腹がすいてきたので、公園を出て駅前でお昼を食べ、午後の部へ。

 

その2につづく。