神々の黄昏@おうち

昨日は自宅でこのライブ配信を観ていました。

2017年から「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」と毎年1作ずつやってきて、今年ようやく完結編の「神々の黄昏」。それがこんな形で上演されることになろうとは、いったい誰が予想したであろうか・・・

我が家も第1作から毎年観に行ってて、今年は関西を離れてしまったけど最後だけ観ないわけにはいかないと11月にチケットを(しかも年々取りにくくなっているので、今年はびわ湖ホールの会員になってまで)取って、ホテルも新幹線も予約して楽しみにしてたのに、コロナのばかーーー!!

でも2月末に政府から要請が出て全国のイベントの中止が続々と決定されていく中、この公演の中止が告知されるまでには2日ほどあったので、主催者側もほんとに苦渋の決断だったに違いない。(だって制作費こんなんとか・・・マジか↓)
制作費1億6千万円のオペラ、無観客で上演 ユーチューブで無料配信「期待に報いたい」|文化・ライフ|地域のニュース|京都新聞

1年後に延期とかじゃなくてやっぱり中止なのかなぁと残念に思っていたら、公演3日前になって無観客上演とライブ配信を行うとのニュースでびっくり。これをやるってことは本当に代替公演の可能性はもうないということで悲しくなったけど、無料で全世界に配信ってすごい。これを観ないわけにはいかない。

というわけで昨日は午前中におやつとか飲み物とか買い込んできて、13時にテレビの前にスタンバイ(うちのテレビはネット接続していないので、パソコンをテレビにつないで音はスピーカーに飛ばすというアナログ(?)対応)。 字幕は出ないということだったので、参考書も手元に用意↓


▲左がパンダさんので私は右(今日要るのは下巻だけです)

(なんか私がすごいワーグナーファンみたいに書いてきたけどそれは主にパンダさんで、私はこのためだけのニワカなので、ストーリーを漫画でお勉強。でもこの漫画はかなり原作のオペラに忠実に書かれていて、オペラ観に行く前に筋だけでも知っておきたいという私のような人にはかなりお勧め。あとがきを読んだら、作者の方は87年の日本最初の「指環」通し上演を観て感激してこれを描かれたそうです。)

ライブ配信は、最初にオケピの沼尻さんがぴょこっと顔を出して挨拶するのが映るのみで、あとはずっと舞台全体を映す固定カメラだけだったけど、無料で配信してもらっていて贅沢は言えまい。いやむしろ我々のいつもの天井席より近くで見られて嬉しい。音はさすがに生で聴く迫力には及ばないけど、充分クリアに伝わってくる(プロンプターの人があんな仕事してるなんて知らなかったよ)。寝そべったりおやつ食べたり参考書をめくったりリアルタイム解説してくれるツイッター見たりしながら自由に鑑賞、これはこれでけっこう楽しい・・・「あっ光った」とか「めっちゃ燃えとる」とかやいのやいの言いながら観られるのもおうちならでは。

これまでの3作の期待を裏切らない美しい舞台演出と完成度の高い音楽に触れてしまうと、これをホールで体験できなかった残念さはひとしお。最後の無音のカーテンコールは切なすぎて泣きそうになった(もちろんテレビの前で拍手を送った)・・・けど、とにかく上演して配信しようと決断してくださった主催者の皆さんには感謝しかない。

“無観客でワーグナー”ネット上演 新型コロナで公演中止 大津・びわ湖ホール - 毎日新聞
↑この記事によると昨日は1万人以上がライブ配信を見ていたとか・・・びわ湖ホールの座席数の約6倍。すごいことだ。

今日(8日)もあるので興味のある方はぜひちょっとでも見てみてください。それがこの不運な作品のせめてもの「救済」になるはず。ついでにそれでオペラやクラシックに興味を持つ人が増えれば、この作品が言わばこの世界のブリュンヒルデに、いやうまいこと言おうとせんでええのよ。

2020年3月8日(日)13:00開演の「神々の黄昏」はこちら↓

DVD出たら買います。