auf der G-Saite

松ヤニが1年やそこらでなくなるかぁー!!
(↑先週の某ドラマを見ていた私の心のツッコミ)

誰か見てた人いません?同じとこツッコまなかった?

見てない人のために一応説明しておくと、大人のバイオリン教室に通って1年ほどになる男子と女子がおりまして、男子が女子に路上で誕生日プレゼントの包みを渡すのであります。
女子「これ何?」
男子「松ヤニ」
女子「色気ないなぁ~」(中略)
男子「じゃあ返せよ」
女子「やだ。ちょうどなくなりかけてたし」
男子「知ってた」
女子「えっ、嘘!」
男子「・・・うそ」

とかいう胸キュン(死語?)シーンなのである。松ヤニなぞという地味なアイテムにこんなキューピッド役が与えられて光が当たるのは大変喜ばしいのだけど、思わず冒頭のツッコミを入れてしまう。
注:松ヤニとは、バイオリンを弾く際に弓の毛に塗って摩擦を起こさせるもので、ほぼ毎回使う必須アイテムではあるのだけど、そうそう減らないので、落として砕けるか、あえて違う種類を試そうとするかしない限り滅多に買い替える機会がなく、私は今使っているやつ(20年前に楽器と一緒に買った)を一生使うんじゃないかという気がしている。

録画してあったので、念のためさっき女子が松ヤニを塗っていたシーンをもう一度見てみると、確かに松ヤニが半分くらいになっている。でもそれでもあと数年はもつと思うよ!

このドラマ、初回から見ているのだけど、バイオリンを始めたばかりの人たちの話なので、ぎこちない演奏ポーズにむしろリアリティがあって、よくある楽器ものドラマの違和感があんまりない(先生以外は・・・)ところが良い。そして憧れの例の曲を弾くのに「先生、このフラジオの音だけはどうしても弾けるようになりたいんです!」(いやいや、フラジオはそんなむつかしくないやろ)とか、発表会の直前に「かっこいいとこ見せようよ」と言って指板に貼ってあったシールをはがし、代わりに鉛筆で指板に指の位置を書き(!)、鏡を見て「ほら、すごく弾ける人みたい♪」(なんじゃそりゃ!)とか、ちょいちょいツッコミどころがあってけっこう面白い。

でも、初めてみんなで曲(「星に願いを」)を通して弾けてめちゃくちゃ喜んだり、その後家でひとりで弾いたらあまりうまくできず「最初に弾けたときはあんなに感動したのになぁ・・・」と落ち込んだり、そうそう、わかるよその気持ち!なところもたくさんあって、ついつい自分が楽器始めたころのことを思い出してしまう。

私がヴィオラを始めたのは高校のクラブ活動(弦楽部)からなのだけど、弦楽器初心者ばかりの1年生たちに顧問の音楽の先生から最初に与えられた曲は「きらきら星」だった。楽譜と指板をにらめっこしながら一生懸命音を探して練習していて、ふと気づいた・・・「なんか私たち(ヴィオラパート)だけみんなと調が違うくない?」そこで初めて楽譜の左端に見たことない記号が書いてあることに気づいたのであった(ト音記号の楽譜だと思って読んでいた)。先生・・・最初に教えてよ!!!
注:ヴィオラの楽譜は通常、ト音記号でもヘ音記号でもないハ音記号というのを使用して書かれていて、ヴィオラをやる人はまずその楽譜に慣れるのに苦労する。

その後入った大学オケでもヴィオラは基本的に初心者が多く、先輩に教えてもらいながら練習するのだけど、うちのヴィオラパートでは、5月の連休中に行われる春合宿の最終日に、1年生が先輩たちの前で「かえるの歌」の輪唱(輪奏?)を披露するのが伝統であった。最後の一人が弾き終わったときに、わーっと暖かい拍手が起こる。今考えても何とも微笑ましい(ビオラっぽいというか)伝統だったな(そういえば他のパートは最初にどんな曲やってたんだろう?誰か教えてください)。

まあその後は数々の分不相応な難曲に立ち向かい、撃沈に撃沈を重ねて今に至るわけなのだけど、ときどきはあの頃の新鮮な気持ちを思い出してもいいような気がする。

ということでこのドラマを毎週見ているのだけど、冒頭の男子と女子のコイバナだけだったらちょっと若すぎてついていけないところを、もう一人の教室仲間であるおばちゃんの存在が良い味出していて、私なんかはもう完全にそのおばちゃん目線で楽しんで見させてもらってます。

明日も楽しみだ♪