お正月2021

明けましておめでとうございます。

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年末年始は帰省も旅行もせず、自宅で過ごしておりました。

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▲せっかく時間があるので、おせち作り頑張ってみました。
はじめて黒豆を煮たけど、つやつやきれいにできたよ♪

って嘘です。通販で買ったおせちセットを重箱に詰めただけです。
(新年早々嘘をついてしまった・・・)

おせちって私もパンダさんもこれと言って食べたいと思うものがないので、うちはもうおせちはやらない(お正月料理はお雑煮だけ)というのが普通になっていたのだけど、先月たまたまテレビの特集で美味しいおせちが紹介されているのを見て、我々がおせちなんて大して美味しいものではないと思っているのは、もしかして本当に美味しいおせちを食べたことがないせいなのではないかと思い至り、今年はどこにも出かけないしその分ちょっと贅沢をというアレもあって、なかば衝動的に注文してしまった。

いや確かに美味しいおせちは美味しかったです。この大きな黒豆、皮が薄くて柔らかくて甘さも上品で、なるほど黒豆って美味しいものだなと初めて思った(ばあちゃんゴメン)。他のもひとつひとつ美味しくて日本酒が進む進む。おせちって完全に日本酒のアテやね。でもこれを手間ひまかけて自分で作ることを考えると(ていうかこのクオリティは再現不可能だし)うーん、まあそこまででは・・・て感じ。来年以降どうするかはまた家計と相談ですな。

 

さて、12月は師走と言われるだけあって(コロナ禍が始まった春ごろからずっと抽選販売に申し込み続けていたニンテンドースイッチがやっっっと当たって、遅ればせながらあつ森にハマったり、これまで気にはなりつつもスルーしていた鬼退治のアニメがさすがに無視できない流行り様になってきたので、遅ればせながら動画配信で一気見したり(こっちは特にハマりはしなかった)していたせいで)何かと忙しく、年賀状の完成がいつもより遅くなってしまい、元旦にお届けできず申し訳ありませんでした。

丑年の今年はこんな感じでした。

曲のほうは、牛→闘牛→カルメンということでカルメン風。「ウシドシ」を「ンシドシ」で(無理矢理)表現したところがポイントだそうです。対して詩のほうは牧牛のイメージ。「うし」が(無理矢理)入ってるとこがポイントですよ。

どこへ向かっているのか分からない今の世の中ですが、個人的には一歩一歩、自分のペースを崩さずに歩いて行ければと思います。

 

ということで本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

追悼・筒美京平さん

他媒体の宣伝が続いて恐縮なんですが・・・パンダさんのYouTubeチャンネルにまた新しい動画が追加されたよ~!

前回の更新が7年ぶりだったのに対して、今回はなんと3か月ぶり。パンダさんのやる気スイッチが入っちゃったんでしょうか。

今回の選曲は、追悼・筒美京平さん。先月ご逝去されて以来、テレビ番組等で特集が組まれたりして、数々の素晴らしいヒットソングを耳にする機会も多く、その偉業に改めて驚嘆するばかりなのですが、パンダさんにはあえてメディアでは取り上げられない隠れた名曲を選んで弾いてもらいました。

このタイトルを聞いてもピンと来ないかもしれないけど、これなら大昔に見たことあるという人もけっこういると思う↓

 80年代にNHKでやってたアニメ「スプーンおばさん」のエンディングテーマ曲です。懐かしい~!!という人はたぶん我々と同じ世代。

このオープニングとエンディングは筒美京平松本隆のゴールデンコンビなんですね。もちろん当時そんなことは知らなかったけど、幼心にこの曲お気に入りだったなー。オープニングも良いけど、やっぱりこの「リンゴの森」は特に名曲だと思う。このおばさんとスプーンが躍ってるアニメがまた、今見てもめちゃくちゃ可愛くないですか?


▲「みんなのうた」バージョンはこちら

今回ついでにYouTubeに上がってるスプーンおばさんのアニメを改めて見てみたんだけど、スプーンおばさんって突然ちっちゃくなっちゃって「あらあらあら、まあ~どうしましょう」とか言うわりに、「とにかく洗濯物を干さなくちゃ」などという感じでまったく動じてないんですよね。いいなぁ。素晴らしい。私もどうせおばさんになるならスプーンおばさんみたいなおばさんになりたいと思う。

て話が逸れてしまったけど、というわけで筒美京平先生の名曲「リンゴの森の子猫たち」をパンダさんによるピアノアレンジでお楽しみ頂けると幸いです。今回の見どころ(聴きどころ)はサビの歌詞1回目の「えだに」と2回目の「だって」を弾き分けているとこらしいです。
いいね、コメント、チャンネル登録お待ちしてます!!(←パンダさんの代弁)

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▲おまけ、撮影風景

インスタにハマる

先日、パート先の職場に尼崎市からのお客さんがあったのですが、頂いた手土産が神戸のお菓子だったんですよ。で、私が同僚の職員さんに、
「尼崎なのに神戸のお菓子って、ちょっとカッコつけてますよね(←失礼)」と言ったら、
「そうですね、私たちが横浜のお土産持っていくようなものですよね(笑)」と言われ、そうそう、まさしくそれそれ~ハハハハハと笑った後で、そうか、ここは神奈川のアマやったんか・・・と気づいた(ガーン)。自ら墓穴を掘ってしまった。

 

ところで最近、昔撮った写真の整理などをしていて、各地の路上で収集した味わい深い写真たちを誰かに見てもらいたくなりまして。またここに載せようかなとも思ったのだけど、この機会にかねてよりちょっとやってみたいと思っていた、路上観察メインのインスタアカウントを開設してみました。

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1か月ちょっとやってみて、今のところまだ飽きずに続いているので、こちらでもお知らせ。こういうのお好きな方はぜひフォローお願いいたします。「アヒルの上観察」だから「アヒ路(アヒミチ)」・・・いやまあ名前はなんでもいいんですが。
今までに集めた写真の中からその日の気分で適当に選んで毎日1枚(以上)ずつ投稿してみてるのだけど、これがけっこう楽しくて今更のようにインスタにハマっている。同じ路上観察クラスタの人たちに見てもらえて、ささやかな承認欲求が満たされるのみならず、自分で自分の投稿履歴を眺めてニヤニヤしたり(←変態)。こういうコレクション的なものとインスタってたぶん相性が良いんだな。

しかしインスタだけでは表現できないこともあるんですよね。例えばこちらの落とし物。

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▲こないだあんぱんまんを指摘された例のスーパーで出会った落ちベビー靴下
あ、可愛いのが落ちてる・・・と思って写真撮ってたら
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▲通りすがりの奥さまによってただちに介入された。

可愛いけど両足とも落とすってどういうことやろな、と思いながらその後ふつうに買い物していたら、向こうから2人乗りのベビーカー(2人横並びになってるやつ)がやってきて、双子ちゃん(たぶん)が乗っているんだけど、そのうち右の子は靴下をはいているのに、左の子は素足をぷらぷらさせている。
で、ベビーカーを押しているお母さんが私とすれ違いざま「も~、〇〇ちゃん、靴下どこ落としてきちゃったの?」などと言うものだから、思わず追いかけて行って「靴下さっき野菜売り場のところに落ちてましたよ!」とお母さんに声をかけてしまった。お母さんびっくりしてちょっと引いてたけど(当たり前や)、あれが落とし主のところへちゃんと帰れそうで良かった。

・・・などというエピソードをインスタには載せられないんですよね。いや載せたらいいんだけど、あっちはもうちょっとクールな感じでやってるので。

あと、まず写真ありきのインスタでは写真がないものについても載せられない。
こないだ、道を歩いていたらシイタケが落ちてたんですよ。シイタケ1個だけ、笠の内側を上にして、軸は取ってあった。あ、シイタケだ、と思ったけど、通勤途中でちょっと急いでいてしかも雨が降っていて、しかも後ろから人が歩いてきていたので、立ち止まって写真を撮ることができなかった。
なぜ道にシイタケが落ちているのだろう。ちょうどラーメン屋の前だったので、毎日毎日ダシをとられて嫌になっちゃったシイタケが店のおじさんと喧嘩して逃げ出してきたところだったんだろうか。はたまた、誰かのお弁当に入っていた煮物のシイタケが、食べられるのが嫌で逃げ出してきた末にあそこで行き倒れていたのだろうか。モヤモヤするので翌日もう一度そこを通ってみたが、もうシイタケの姿はなかった。

・・・などというエピソードも載せられない。いやどうにかして載せたらいいのかもしれないけど。

ということでこちらではインスタで書けなかった補足の話をするために、これからも路上観察ネタを取り上げると思います。ダブルで楽しんで頂ければ嬉しいです。

ってそのうちインスタに飽きて、またこっちだけになってるかもしれないけど。

あんぱんまん

友人が今月東京を離れるということで、久しぶりに都心で会食しました。
せっかくだからGo To Eatでちょっと贅沢にとホテルランチにしたのだけど、席に着くなり「こちらどうぞお使いくださいませ」とテーブルに置かれたこちら↓
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なんだろう?と思ったら、
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▲「マスクケース」でした。
さすがホテルのコロナ対応。もちろん記念に持って帰ってきた♪

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スーパーメロンショートケーキめちゃくちゃ美味しかった!

 

♪♪♪

打って変わって日常の話なんですが。

先日スーパーで買い物していたら、私の横を通りがかったベビーカーに乗った幼児(推定2歳、女児)が突然「あんぱんまん!あんぱんまん!」と言った。ベビーカーを押していたお母さんらしき女性は辺りを見回して、「えー?アンパンマン?どこ?〇〇ちゃん、アンパンマンどこにいる?アンパンマンいないよ?」と言った。
私が幼児のほうを見ると目が合ったので、マスク越しに微笑んだら、幼児もにこにこしていた。お母さんはそんな我々のやりとりに気づいたのか気づかなかったのか、「アンパンマンいないねぇ~」と言いながらベビーカーを押して去っていった。

・・・お嬢ちゃん、よく気づいたね。そうだよ、私がアンパンマンだよ。

なんとなれば、私は今よりもっと若い頃にも、デパートで買い物していたら、小さな子に指をさされて「あんぱんまん!」と言われたことがあるのだ。後ろを振り返ってみたがそこにアンパンマンはいなかった。つまりその子は確かに私を指さして言ったのだった。この一件については気のせいだったかもと長年思っていたのだが、今回のことではっきりした。たぶん私は今まで自分で気づいていなかったけれども、実はアンパンマンだったのだ。

そうとなればこれからはアンパンマンであることを自覚して、みんなの夢をまもるためにいかなかればならない(どこへ?)。

あ、でもちょっと待って、大人は気づかないのに幼児にのみ指摘されるということは、私自身がアンパンマンなのではなく、私にアンパンマンが憑いているのではないだろうか。なんか守護霊的なものとして。小さい子はそういう霊的なものが見えると言うし、私の後ろにいるアンパンマンが見えたのではないだろうか。もしくはあの子は実はスタンド使いで、私のスタンドのアンパンマンに気づいたとか。うーん、そっちのほうがあり得るか?

 

(彼女はアンパンマンに似た顔のまるい人を見ると誰でも「あんぱんまん!」と言うてしまう子で、お母さんが殊更にアンパンマンの不在を強調したのは「こらっ、アンパンマンアンパンマンって言っちゃダメよっっ」てことだったのではないか、という説は排除する。)

 

新オンアイス第1弾

ものすごく久しぶりに、オンアイスのネタを頂いた。

オンアイスって、確かこのブログになってから初めてですよね?
たぶんもう誰も覚えていないと思うので、改めて説明しよう!

オンアイス、正式名称【和菓子オンアイス】とは・・・

友人に京都から阿闍梨餅を送る代わりにその土地のお菓子を送ってもらい、それをバニラアイスの上に乗せて食べ、感想を述べるという近年(アヒルを中心として)流行っている遊び。
阿闍梨餅を焼いてアイスの上に乗せて食べたら美味しかったことに端を発する。
現在もトレード相手を絶賛募集中。相手が見つからない場合は一方的に阿闍梨餅を送りつけ、お返しを要求することもある(進物テロ)。

↑以前のブログからの引用

うーん、そうだったんか。いやもう自分でも忘れていたぞ。
ていうかもはや私が京都を離れてしまって阿闍梨餅を送ることができなくなっとるやないの。ちょっと定義を修正せねばなりませんな。

まあとりあえずそれは後で考えるとして、一時期ちょっと盛り上がったこの遊び、昔のブログを見返してみたら、ちゃんとネタとして書いたのは2016年1月の第8弾冨貴豆が一番直近でした。もう5年近く前かい。月日の経つのは本っ当ーに早いもんだ。

で、今回久しぶりに送ってくださったのは、その第8弾冨貴豆と第6弾シァンルルでもお世話になった札幌在住のMさんです。

オンアイス用のお菓子を送ったという知らせが突然来たので、驚きつつもアイスを用意して待っていると、届いたのはこちらのお菓子でした↓

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赤いサイロ(北海道北見市)ですよ!

2018年平昌オリンピックでカーリング娘たちがもぐもぐタイムに食べて話題になったアレです。そういやあの頃妙にカーリングにハマってずーっと見てたんだったわ(その後全然見てないけど(←典型的なミーハー))。

あれで話題になって注文が殺到し、全然手に入らなくなってしまったという話だったけど、Mさんによると、今回あれ以来初めて店頭に並んでいるのを見たとかで買ってくれたらしい。「1人1個限定で、私もまだ試食できていないので、レポ楽しみにしているよ」・・・って、ええー!?そんなもんうちに送っとる場合か!まず自分用に買わんかーい!!「アヒルさんの毒舌で斬ってもらえるの楽しみ♪」って、いったい彼女はこの企画を(ていうか私を)何だと思っているのだ。

 

ではそのようなやや重すぎる期待を背負ってレポいたします。まずは開封

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おお、小さい箱が出てきました。「萩の月」方式ですな(どっちが先か知らんが)。ちなみにサイロ1本に小箱5個入りです。

 「このおいしさはやはり北海道」

「やはり」ってとこが憎たらしいですね~(毒舌?)。
北海道つけときゃなんでも美味しそうに聞こえるというのに、さらにダメ押し。

やっぱりな~~~やっぱりな~~~(←チャイコン3楽章)

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▲箱の裏書き
なるほど、高温多湿に弱いと。そりゃもうやはり北海道生まれですからね。

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▲このくらいの大きさ。まずはそのまま頂きます。

しっとりとした歯ごたえの柔らか~いチーズケーキです。濃厚なチーズの香りが鼻に抜け、ほのかな酸味とこっくりとした甘みが口の中に広がります。でも後味は意外なほどさっぱりと軽い。チーズケーキにありがちな甘ったるさやしつこさがなくて、とっても美味しいです。これは、若い女の子たちだったら短いもぐもぐタイムの間に2つも3つももぐもぐいってしまうかもしれない。

しかし四十路のおばはんがそんなことをしてしまったらいろいろヤバいので、日を改めまして、今度はいよいよアイスの上へ。

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▲断面はこんな感じ。

冷やしても美味しいらしいですが、今回は逆にちょっとトースターで焼いて、ほんのり温めてから乗っけてみました。

しっとり食感のチーズケーキがさらにじゅわっとした感じになって、舌の上でアイスと一緒にとろけます。庶民的アイスがチーズケーキと混じりあって高級アイスに格上げされる。うんまーい♪

Mさん的には、今回はアイスとの相性というよりレア度で選んでくれたという話だったけど、オンアイスとしてもばっちりだったよ。やはり北海道!
次見かけたら今度こそ自分で食べるために買ってください。どうもありがとう!

さて、お返しに阿闍梨餅を送りたいのだけど、当然この辺では手に入らない。横浜銘菓、ありあけ~のぉ~ハ~バ~♪なら近所で売っているが、それもなんだかなぁ(ここ横浜ちゃうし)ということで、うちの御用達のケーキ屋さんの地元銘菓を謳うお菓子を送らせていただきました。

 

ということでオンアイスは定義を以下のように変更し、今後も活動を続けてまいります。

【〇〇オンアイス】とは・・・

友人にアヒルの居住地から美味しいものを送る代わりに〇〇を送ってもらい、それをバニラアイスの上に乗せて食べ、感想を述べるという近年(アヒルを中心として)流行っている遊び。
阿闍梨餅を焼いてアイスの上に乗せて食べたら美味しかったことに端を発する。
現在もトレード相手を絶賛募集中。相手が見つからない場合は一方的に美味しいものを送りつけ、お返しを要求することもある(進物テロ)。

〇〇のところは和菓子に限らないし、もはやお菓子にも限らないことにする。「醤油」とかでもいいですよ。でもできれば食べ物の範疇でお願いしたいです。

この企画は皆さまのご協力で成り立っております。どうぞよろしくお願い致します。

 

One more time

落とし物をしてしまった。

落とし物というのは、私にとっては路上観察の一環として鑑賞・採集するもの(こないだ書いた片手袋みたいな)であって、自分がするものではないはずなんだけど、まあそういうこともたまにはある。

何を落としたかというと、日傘です。

そんなもんどうやって落とすんじゃいとお思いかもしれないが、どこかに置き忘れたとかではなく、本当に落としたのだ。

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▲それは昔作ったこの藍染めの日傘ではなく、

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▲こちらの浴衣地で昨年作った日傘であった。

なんでまた別の日傘を作っているのかというと、まだ病み上がりだった一昨年の夏に上の藍染め日傘をさして歩いていたら派手に転んで傘の柄をボキッと折ってしまい、それを直そうと思って昨夏ユ〇ワヤで新しく日傘キットを買ってきたら、サイズが違っていて使えなかったんだけど、捨てるのももったいないから別の生地で作ったのがこの日傘なのだ(ちなみに藍染めのほうはさらにまた別のキットを買ってきて直した)が、そんなことは今どうでもいい。

これはこれでまあまあ気に入って使っていたのだけど、先日急な夕立があった日に雨傘の代わりに使って濡れてしまったので、乾かしてから全面にUVカットスプレーをかけなおし、ベランダの物干し竿を引っかけるところに逆さに引っかけて干したのだった。

今考えたらそんな不用意なことをしてはいけなかった、ほんまに阿呆だったとめちゃくちゃ反省しているのだけど、あとはもう皆様のご想像の通り。

しばらく別の用事をしていて、ちょっと風が強くなってきたな~と思って見に行ったら、すでに日傘は消えていた。

えっ、落ちた・・・!?

慌ててベランダから下の地面を覗き込んでみた。が、そこには何も落ちていない。見渡せるだけ近所を見渡してみたけど、それらしきものは見当たらなかった。

うちのマンションの裏は大家さんの自宅の庭なので、もしかしてそこに落ちているかもしれないと思い、大家さんのところへ行って事情を説明し、捜してもらったけどなさそうだった。そんなに遠くへ飛んでいくとも思えないけどねぇ、もし見つけたらお知らせしますよ、と言ってもらって大家さんとは別れ、それから近隣一帯をひと通りうろうろ捜し回ってみた。

しかし下に落ちたのでなければ、風に乗って遠くまで飛ばされてしまったのだろうか。でもそんな強風が吹き続けていたということもないから、飛ばされたとしてもこの近くに落ちていると思うのだけど・・・もし高い木の上に引っかかってたりしたらもう自力ではどうしようもない。電線に引っかかってたりしたらもはや消防案件だ・・・いやそれよりも、飛ばされた拍子に歩いている人に当たったり、道路を転がって交通事故を引き起こしたりしていたら、ごめんなさいでは済まされない。もう、ほんとになんてアホだったの私。とにかく早く見つけて捕獲しなければ。

閑静な住宅街でキョロキョロと、人の家の庭先を覗き込んだりたまに上を見上げたりしながらウロウロしている不審な女。あまり長くやっていると通報されかねない。というか暑くて倒れそうになってきたのでいったん帰宅した。

もう一度ベランダから近隣を見渡してみる。もちろんどこにも傘は見当たらない。目の前の電線に鳥がとまっていた。
「小鳥さん、私の日傘見なかった?」
「ああ、見たよ。あっちのほうへ飛んでいったよ。」
って私がジークフリートだったら小鳥さんに聞けるのに…などと空しい妄想をしている場合ではない。
そうだ、傘の気持ちになって考えてみよう。ここに吊るされてぶらぶらしていたら、急に強い風が吹いてきて、ふわっと煽られて、あ~~れ~~~!・・・ってその場面を想像したらちょっと笑え・・・いや笑てる場合やないねんて。てかそれだったらこの辺に落ちてそうなんだけどなぁ・・・自分の想像力の限界を感じる。
そういえばこないだナイトスクープ(こちらでは神奈川ローカルテレビ局で金曜の20時とかに関西の2か月遅れくらいで放送されている)を見ていたら、家の中でケージから脱走して行方不明になったヘビを捜すのに、同じ種類のヘビを連れてきて同じように脱走させて行動を追ってみるというのをやっていたが、あれに倣ってもう一度別の日傘を吊るしてやってみたら・・・と一瞬思ったけどさすがにやめておいた。

夕方、少し涼しくなってから、もう一度近所一周うろうろの旅に出てみた。うちのベランダから消えてから少なくとも数時間経っている。開いた状態の傘がそんなにいつまでも道に転がっているとも思えないから、誰かが拾ってその辺に引っかけてくれてるかもしれないと思い、その視点でも捜してみたがやはり見つからなかった。近所で事故があったような雰囲気はないので、その点は大丈夫そうだ(と信じたい)けど、本当にいったいどこへ行ってしまったのか。ヘビは逃げたらその日のうちに見つけなあかんと言っていたな・・・飛んでった日傘とはもう二度と会えないんだろうか。

 

翌日は休日で、朝から雨だった。どこかで寂しく濡れそぼっている日傘ちゃんを思って悲しくなった。午前中にパンダさんと買い物に行きがてら、また近所をキョロキョロしながら歩いてみた。午後は少し家から離れたところまで歩いて出かける用事があったので、さすがにここまで飛ばされて来ているようなことはないだろうと思いつつも、念のためあちこちに目を配りながら歩いた。

夕食を近所に食べに出ることにしたので、あえてまだ行ってない方面にあるお店を選んで、日傘を捜しながら行くことにした。もう日が落ちて暗くなっていて、こんな状況で捜しても見つけられそうにないとは思ったが、少しでもそれっぽいシルエットがあったら近づいて行って確かめた(駐車場のフェンスに何か引っかけられてると思って見に行ったら、ハンガーに吊るされたジャケットだった。なんでこんなとこにジャケット吊ってあんねん(怒))。しかしやはり何の収穫も得られなかった。

これだけ捜しても見つからないのだから、もう諦めたほうが良さそうだと頭では分かっている・・・でもたぶん私はこれからしばらく、近所を出歩くたびにキョロキョロとあの子を捜してしまうんだろう。向いのホーム、路地裏の窓、こんなとこにいるはずもないのに。

しょんぼりしながら帰ってきて、マンションの集合ポストに郵便を見に行ったら、ああっ!?

そこにいたのは、まぎれもなくあの子だった!
掲示板に貼られた「落とし物です」の貼り紙の下に、たたまれた状態の私の日傘が立てかけられてあった。

わ~~!!お前、帰ってきたんか~~!!
もう二度と会えないと思っていたのに、よくぞ帰ってきた!!

いつからここにあったんだろう?少なくとも昨日はなかったはずだ。ていうかやっぱりマンション内に「落ちて」いたのか。え、もしかして、斜めに飛ばされて下の階のベランダに入っていたとかそういうこと・・・!?しえー。突然家のベランダに見慣れぬ傘が落ちていたら、さぞやびっくりされただろう・・・ほんとごめんなさい。そしてご親切にありがとうございます。

そのまま大家さんのところへ行って報告し、掲示板にお礼の貼り紙を貼らせてもらう許可を頂いた。この度はありがとうございました、傘が落ちた拍子にお宅のものを壊したりしてしまっていないかと心配しています、もし何かあれば〇〇号室へお知らせください・・・というような手紙を入れて「傘を拾って下さった方へ」と書いて貼っておいたら、翌日にはなくなっていたので、おそらくご本人に届いたに違いないと思っている。

それから何日か経つけど、今のところ誰からも何の連絡も来ていない。もしかして何か被害があったかもしれないが、賃貸マンション内のドライな近所付き合いの中のことなので、あえて名乗るのを控えられたのかもしれない。ここで謝っても仕方ないけど本当にご迷惑をおかけしてすみませんでした。ありがとうございました。

というわけで親切なご近所様のおかけでこの一件は無事に落着した。そういえば冬にエレベーターの中で片手袋を落としたときも、どなたかが拾って引っかけておいてくれたんだった。落とし物をすると、いつもはドライな近所付き合いのあたたかい部分に触れるなぁ・・・などと言うてる場合ではない。ほんとに反省してます、申し訳ありませんでした。

梅仕事2020

今年も梅仕事をした話を書きかけたまま放置していて、気づいたらもう9月になってしまった。すっかり梅の時期を逃してしまったけど、せっかく書いたので上げます。

♪♪♪

ちょっと前の話ですが、たまたま見たカンブリア宮殿、チョーヤの回が結構面白かった。

www.tv-tokyo.co.jp

一昨年、京都にいたとき私も行った梅体験のできるお店が、今年鎌倉にもオープンしたそうで、連日予約の取れない人気ぶりだそう。チョーヤって本拠地は大阪(羽曳野)だそうですが、大阪でなくてわざわざ京都とか鎌倉とかに出店しているところが、何というか、あざといさすがです。
さらに昨年は銀座に梅酒バーをオープンさせたそうで(行ってみたい)、さぞかし大企業なんだろうと思ってたら、なんと社員数たったの130人の小さな会社だという話だからびっくり。さらに創業時はワインメーカーだったのを、社長が引退旅行で訪れたボルドーで本場のワインの素晴らしさを知ってしまい、「こら全然かなんわ」となって2代目からは「梅酒に転向しなはれ」ということで梅酒の会社になったんだそうな。そこからもいろいろあったらしいんだけどなんせ面白かった。オンデマンドで見られるみたいなので興味のある方はどうぞ。


さて梅仕事ですが、うちは今年は梅干しだけ作りました。
それが梅2キロを3袋に分けてジップロック漬けにしたのだけど、1袋だけなんか変なのが出来てしまった。梅酢が上がって、途中で紫蘇を入れて、干す段階まで特に変わったことはなかったのだけど、いざ干そうと思ってジップロックを開けたら、むむ?なんか変なニオイ!人工的な機械油のような、食べたらいかんもんみたいな匂いがするのだ。
梅酢をボウルに開けてみると、なんだか濁っている。カビたのかとも思ったけど、カビっぽいものが浮いているわけではない。もしかしてこれが発酵という現象なのか?でも梅の実自体はガスで膨らんだりしていないし、それに発酵なら甘い匂いがするというが、そういうのとは違う匂いだし。
ボウルにあけた梅酢は、しばらく置いておくと何かが沈殿して、上澄みは透明になった。実の皮がやぶれて果肉が出るとこういう状態になったりするらしいが、実にはそんな傷はない。なんなのよこれは~?

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▲とりあえず全部干す。

下段のが変な匂いの子たち。
実はこの子らは、買ってきたときまだ青かったのを寄り分けて、2~3日追熟させてから漬けた子たちだった。漬ける際もまだ充分な熟し方ではなかったものの、梅酢は一応上がったし大丈夫だと思っていたのだけど、なんか良くない梅が混じっていたのだろうか。

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▲匂い以外はまあ普通・・・全体的に固い感じだけど、まあこれはこんなもんでしょう。熟しが足りない梅で作った梅干しって、こんな感じで実も皮も固い(干すことで多少柔らかくはなるけど)。そして干からびるばかりで全然梅蜜が出ない。

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▲対してしっかり黄色く熟したのを漬けた梅は、干す前から皮がつまめるくらい柔らかかったりするし、干してる間にも梅蜜が出てくる。上の写真のしっとりしてるのは、まだ乾いていないのではなく、梅の実から湧き出るエキスによるものです。

やっぱり柔らかくてしっとりしているやつのほうが美味しそう(とはいえ、うちのばあちゃんが昔から作っていた梅干しは固いのが標準で、子どものころからそれを普通に食べていた私は、家庭で作る梅干しってそんなものだと思っていた。ので、そういう梅干しだと思えばそれも失敗というわけでもないと思うけど)。そして「柔らかい良い梅干しを作るためには、青い梅は追熟させてから漬けましょう」ってよく言われるのだけど、追熟が上手く行ったためしがないよね。青い梅は追熟させてもやっぱり青い梅なりの仕上がりにしかならんと思うのだけど。みんなそんなことないの?

話が逸れてしまった。で、変な匂いの子たちだけど、干してから夕方取り込むときに、まともな匂いの方の梅酢に戻す、そして翌日また干す、というのを2回くらいやったら、だいぶ変な匂いも薄くなってきた。3日干して、もうこれで完成というのをひとつ食べてみたら、匂いを気にすれば気になるかな~というくらいで、変な味は特にしない。まあ食べられないこともなさそう。
念のため他の梅干しとは混ぜないで、別のビンに入れて保管。1年後(うちの梅干しはだいたい1年くらい寝かす、そのほうが角が取れて美味しくなる気がするから)どうなっているか分からないけど、もしそのまま食べられる状態でなかったら、風邪のときおでこに貼るとかそういう使い道を考えよう・・・しかし結局どういうわけで変な匂いになってしまったのか謎だ。

謎と言えば、これも失敗というのとはちょっと違うけど、2016年に作った梅干しは、どういうわけか、保管している間にカピカピの塩が吹いてしまった。
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▲右のほう。カビみたいに見えるけど、塩です(たぶん・・・)

この年のは干してるときからあまり梅蜜が出て来ず、なんかいつもと違うな~と思ったんよね。たっぷりの蜜に浸っているその前年のとだいぶ違う感じ。塩分はどちらも同じ18%だし、保管場所も同じなんだけどね。このように塩が浮いてくることはままあることのようで、別にこうなったからと言って食べられないわけではない。しかしこれも、どうしてこの年のだけこうなったのかよく分からない。

塩といえば、2015年に漬けた小梅も、放置している間に塩が出てきたのだけど、こちらはきれいに結晶化してキラキラしている▼
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なんか条件がうまいこと重なるとこうなるんでしょうけど、これもなんでこれだけこうなったのか謎。ていうかこんなになるまで置いとかないで、さっさと食べてしまいなさいよという話なんですよね。でもついつい毎年多めに作ってしまって在庫ばかり増える・・・

毎年(と言ってもまだ7回目くらいですけど)作って思うことは、結局、どんな梅干しができるかというのは、ただもう漬ける前の梅の状態によるんじゃないかということですわ。塩加減とか清潔保持に気を遣うとか、基本的なことは必要だけど、それ以上人間が何をしようが梅干しの出来に影響することはほとんどないんじゃないかという気がする。つまり、良い梅干しを作ろうと思ったら、良い梅を選ぶこと、それに尽きるのではなかろうか・・・いやそんなことを言って、上達のための努力を放棄してはいけないとは思うものの、それ以上のコツが今のところ見つけられないのよね。それとも、もっともっと経験を重ねて熟練の梅干し婆になればまた違うんかしら。